日本の建築に使用される木材には様々な種類があります。
ほぼすべての樹は針葉樹と広葉樹に分けられ、それぞれ違いがあります。
先が尖り細い葉の針葉樹と、扁平な形の広葉樹。
針葉樹と広葉樹は、葉の形から見分けることができます。
ケヤキやミズナラなど幅広い葉を持つ木を広葉樹、マツやスギなどの細長い葉を持つ木を針葉樹と呼びます。
幹にも違いがあって、針葉樹はまっすぐ伸びているのに対し、広葉樹は太くて曲がっていることが多く、さらに枝分かれしているのが特徴。
細胞の成り立ちも異なります
針葉樹の組織は単純で、ほとんどが仮道管(水を根から樹幹を通して葉へ送る通路の役割をしている管)で出来ていて、細胞の構成も非常に単純です。
それに対し、広葉樹の組織構造は複雑で、細胞の種類が多いだけではなく、細胞ごとの機能も分かれています。
一般的に針葉樹は軽くて柔らかく、広葉樹は重くて硬い事が知られています。(英語でもそれぞれをソフトウッド、ハードウッドと呼びます。)
実はこの硬さの違いは樹が含んでいる空気の量に関係しているのです。
木を構成する細胞と細胞の間には、無数の空気を通す穴が空いているのですが、針葉樹にはこの穴が多い(=細胞の密度が低い)ために軽く柔らかで、広葉樹の大半はその穴が少ない(=細胞の密度が高い)ため重く硬いのです。
針葉樹は、その入手や加工のしやすさから多く日本の建築に使われてきましたが、加工技術や道具が飛躍的に発達した江戸時代以降は頑丈な広葉樹も使われるようになりました。
「大黒柱」と聞いて「広葉樹の王様・欅(けやき)」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。